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  <要旨>
 
  ・歯が痛いとき、本当に「虫歯が原因で痛い」ということは、患者様が思っておられるよりも意外と少ない。(当院のデータ)
 
  ・そのほかの原因が7割を占める(当院調べ)が、その中でも「意外と」よくあるのが、噛む「力」の問題。
 
 
 
 
  <内容>
 
  「歯が痛い」ということで当院にお越しくださった患者様のうち
 
 単純に虫歯が原因だった
 
  という方は何%くらいでしょう?
  ( ※ 「当院」の、ざっくりとした計算の結果ですので、ご了承くださいね)
 
 
 
  ・・・・。
 
  結果(※ くどいようですが、「当院の」ですからね)
 
 約30
 
  でした。
 
  いかがでしょうか?
 
  「え?たったの30%?じゃあ、残り70%は何なのさ」
 
  と思われませんか?
 
 
  患者様の皆さんが思われている以上に、虫歯以外の原因で「歯が痛い」「うずく」「凍みる」という症状が起こるんです。
 
  これについては私自身が経験があります。
 
  右上の奥から2番目の歯がうずいて、
 
  「あちゃ〜。恥ずかしいなぁ。こりゃ絶対に虫歯だ。患者さんに言われへんわ」
 
  と思いつつ、先輩の医院に行ったんですね。
  (事前に自分でレントゲンを撮りましたが、虫歯らしくはなかったのですが、「まあ、銀の詰め物の下にあるから見えないに違いない」と思っていました)
 
  そこで精密に診査してくださった結果、
 
  「カリエス(虫歯、という意味)とちゃう(違う)でぇ。
  P(歯周病、という意味の「ぺリオ」の業界用語)やでぇ」
 
 
 
  と言われてとてもびっくりした経験があります。
 
  その時、
 
  「そうかぁ。歯ぐきなのに、こんな感じ方をするのだなぁ。自分では絶対に虫歯だと思ったのに」
 
  と思いました。
 
 
 
 
  このように歯が痛くなる原因は虫歯以外がむしろ断然多いのですが、私たちは子供の頃のイメージを抱えているのか、
 
  「歯が痛い」イコール、「虫歯」
 
  と方程式のように思ってしまうのですね。
 
 
  それでは、そのほかにはどんな原因があるのでしょうか?
 
 ・    歯周病
 ・    根の先が膿んでいるとき
 ・    強い力が歯に加わっているとき
 
  このあたりが多いです。(あ、もちろん、本当に虫歯で痛い、というのも当然あります)
 
  今日、申し上げたいのは特にこの3つめの
 
 
  「強い力が加わっているとき」
 
  です。
 
  これのご説明がまた難しいのです。
 
  これは「状況からの推理」になることが多いからなのです。
 
 
 
 
 強い力が歯に加わっているとき
 
  実はこの原因によって歯が痛くなることが多いことを感じます。
 
  週に2〜3名はこの原因によって「歯が痛い」とおっしゃって来られる事もしばしばです。
 
  このような方の特徴として
  ・    明確な虫歯が見られないことが多い
  ・    歯が磨り減っていて、上下がぴたりと合う部分があることが多い
  ・    比較的若い方(2030代)で見られる
 
 
  このようなことを感じています。
 
 
  とりあえず、写真を見ていただきましょう。
 
  まず、こちら。
 
   
 
          ↑  ↑   ↑
     右上の 3番   2番     1番
 
  この、上下の3番が「ぴたり」と合っているのがお解りでしょうか?
 
 
  お解りになります?
  右の3番(犬歯)が磨り減っていて、顎をずらすと上下の3番が「ぴたり」と合うポイントがあります。
 
  でも、たいていの場合、ご本人はお気づきではありません。
  この患者様もご指摘させていただいて初めて
  「えー!こんな風になっていたんだ」
  とおっしゃられました。
 
  3番という歯は「ガイド」という役割を担っています。
  これは、顎をずらしたとき、下の3番が上の3番の内側の斜面に当たりながら斜め下に「誘導」されることです。
 
   
 
             ↑  ↑  ↑  ↑
       右上の  6番   5番   4番   3番
 
  こちらの方は、顎をずらすと上下の3番同士が当たって、奥歯に上下が隙間が出来ているのがお解りになりますでしょうか? 
 
  奥歯はタテの力には強いのですが、ヨコの力には弱いのです。
  奥歯をこのヨコの力から避けられるようになっているのですね。不思議ですね。
 
  ところが、度重なる強い磨耗によって3番が磨り減ると、高さが落ちて、十分にガイドしきれなくなります。
  そうすると奥歯がヨコで、接触するようになります。
  そして
  「噛むと痛い」
  という現象になるのです。
 
 
  もし、このような現象が疑われる場合、治療法としてはまず、
  歯周病治療
  を優先して行わせていただいております。
 
 噛む「力」  歯ぐきの「炎症」
 
  が加わって痛みが生じているのです。
  問題が2つ重なって、病態が加速しています。
 
  まず、どちらか片方を取り除いてあげることで症状が落ち着きます。
 
  取り除きやすい方から取り除くのがいいので、まずは歯ぐきの炎症を鎮めるために歯周病治療を行わせていただくのです。
 
  これで大体8割の方は「治った」
  とおっしゃられます。
 
  これでも改善が得られなかったら、
  ・    ちょっとだけ、削って、当たりを弱くする
  ・    虫歯の可能性をもう一度、掘り下げて調べて見る
  ・    より深く、歯周病治療を行わせていただく
 
  このような手段を行います。
  これでほとんどの方は痛みが治まっていらっしゃいます。
 
 
  逆に言えば、これで落ち着いた場合は、やはり原因は
  噛む「力」 と 歯ぐきの「炎症」
  がミックスされたことだと言えますので、この点について長期的にアプローチさせていただく必要があるでしょう。
 
  歯ぐきの炎症については特別なことはありません。
  日々の歯磨きと何ヶ月かに一度、御来院いただいて、きちんと歯石取りをさせていただくこと
  ですね。
 
  一方の「力」の問題は、意外と解決が難しいです。
 
  たいていは無意識下で(睡眠中など)強く噛みしみていることなので、「注意してやめるようにしてください」と申し上げて「はい、やめました」と出来ないところが難しいところです。
 
  ですので、その場合に歯科としてとりえる手段は
  「クッションを装着して、仮に強い力が生じていても、歯にダメージが加わらないようにすること」
  というものになります。
 
  当院では、とにかく使用していただけること、を優先に考え、まずはソフトタイプで作らせていただいています。
 
  型を取って、次回には出来上がります。
  3割負担の方で、保険を効かせて5000円くらいです。(意外と高い・・・?!)
 
 
 
 
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